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「スマートフォン」の利用が19pt増加し、90%を越えた。
それに伴い「公式SNSアカウント」「メッセージングアプリ」の利用も約20pt増加した。
※数値は小数点以下を四捨五入(以下、同様)
企業とのコミュニケーション手段は「電話」「公式Webサイト(PC版)」「店舗・店頭」が依然高いものの、
「公式Webサイト(スマホ版)」「公式SNSアカウント」「メッセージングアプリ」「チャット/チャットボット」 が増加傾向。
電話
公式Webサイ
ト(PC版)
店舗・店頭
公式Webサイ
ト(スマホ版)
公式SNS
アカウント
メッセージ
ングアプリ
チャット
/チャットボット
コロナ禍を契機に、82%が「3密」を回避するようになった。
その影響で、スマホや動画・ライブ配信の利用が増加するなど、デジタルシフトが進んだ。
また、在宅勤務などで通勤・通学の機会が減り、日中に通販などを利用する頻度も増加した。
「3密」の状態を
避けるようになった
82%
スマートフォンに
触れる機会が増えた
72%
日中に動画サイトやライブ
配信を見る機会が増えた
56%
学校や職場に行く
機会が減った
47%
日中に通販やライブコマース
を利用する頻度が増えた
32%
コロナ禍で20%以上が「公式Webサイト(PC&スマホ版)」の利用を増加し、今後の利用意向も高い。
「ビデオ通話」は約15%が利用を増加させたが、一時的な現象とみられる。
「電話」「店舗・店頭」「チャット/チャットボット」の増加率は高くないが、アフター(ウィズ)コロナでの利用意向は高い傾向にある。
「電話」「公式Webサイト(PC&スマホ版)」「店舗・店頭」は世代を問わない王道チャネル。
若年層を中心にスマホ起点のチャネルの利用意向が増加し、「メッセージングアプリ」と「チャット/チャットボット」は
ニーズに対して企業側の実装が不足している。
消費者がブランドを認知・検索し、比較検討・相談を重ね、購入を決めリピーターやファンになり、
クチコミを拡散するまでの過程で、企業が提供するコミュニケーション体験が購入・リピート行動を左右し、
さらにはクチコミを通じて他の見込み客の購買行動に
影響を及ぼす。
興味・関心を
持つきっかけ
未知の情報の
収集有無
ネット検索時の
手段
比較検討・
相談の有無
比較検討・
相談の手段
商品に差がない
場合の
購入の決め手
リピート購入の
決め手
問題・不満発生時の行動
不満対応後のリピート行動
ファンとしての
擁護・支援行動
信頼を裏切られた
「元ファン」の行動
他の見込み客の
購買行動に影響
「情報の質(明快さ・詳しさ・公平さ)」と「手間・負担感の低さ(情報収集のしやすさ・速さ)」に
関わる顧客体験の提供が、 購入・リピートの決め手やファン化の要因となっている。
購入後はアフターサポートの重要性が増す。
最終的な問合せ窓口の個別満足度に比べ、
プロセス全体の総合満足度は21ptも目減りする。
総合満足度が目減りする原因のひとつとして、消費者の51%がたらい回し等の理由により手間・負担感を感じている。
解決窓口満足度最終的に問題を解決してくれた
個別窓口に対する局所的な満足度
問合せプロセス全体に
手間・負担を感じる
(総合満足度が目減りする原因)
51%
プロセスを加味した
総合満足度問題解決に至るプロセスの
全ての窓口に対する真の総合満足度
プロセス総合満足度は
解決窓口満足度から目減り-21pt※満足度は7段階評価の
Top3を集計し%表示
手間・負担感を改善できれば、ブランドイメージが良くなり、
購買行動率やリピート行動率などの顧客ロイヤルティを向上することができる。
その企業・ブランドへの信頼感が増す/
イメージが良くなる
58%
今後、同種の商品・サービスを
検討する際の候補にする
47%
今後も、その企業・ブランドを
利用し続ける/リピートする
37%
ヒト対ヒトの対話や利用時にひと手間発生するチャネルは手間・負担感を感じやすい。
また、デジタルチャネルの手間・負担感は全体的に低いものの、新型チャネルは高くなる傾向がある。
手間・負担感の度合いは、チャネル特性や年齢層により大きく異なる。
24歳以下の若年層は、ヒト対ヒトの対話が発生するものに手間・負担感を感じるが、デジタル技術には全般的に寛容。
逆に65歳以上の高齢層は、電話に手間・負担感を感じないが、新しいチャネルに対する忌避感が強い。
24歳以下(n=423) | 25-34歳(n=758) | 35-49歳(n=1,061) | 50-64歳(n=617) | 65歳以上(n=238) | |
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公式Webサイト (PC・スマホ含む) |
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店舗・店頭 | |||||
企業の公式 SNSアカウント |
|||||
メッセージング アプリ |
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チャット/ チャットボット |
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AI スピーカー |
|||||
電話 |
問合せ時の平均経由チャネル数は2.7個で、
FAQや公式サイトから電話へと遷移するパターンが多い。
デジタルチャネルを経由している間はCESが低く抑えられるが、電話などの対話型チャネルに遷移すると手間・負担感が高くなる。
を活用した、カスタマージャーニーのプロセスマイニング
カスタマージャーニーのプロセスマイニング
CES(Customer Effort Score)とは?直訳すると「顧客努力指標」。顧客努力とは、サービスを利用する際にどの程度手間や負担を要したのかを表したもの。
従来のCS調査などの指標と比べ、リピート行動率との相関性が高いといわれ、顧客体験(CX)を向上するための指標として注目を集めている。
Celonisとは? プロセスマイニング市場で世界No.1シェアを誇る
プロセスマイニングツール
https://www.trans-cosmos.co.jp/transcosmos-analytics/celonis/
デジタルとリアルを併用し、単一のチャネルだけでなく複数のチャネルをシームレスに組み合わせ、
AIやデータを活用したチャネル統合サービスが求められている。
消費者に手間・負担感を感じさせず、スピーディーでエフォートレスな顧客体験を提供できるため、
購入促進や不満解消などの効果が期待できる。
60%が利用したいと回答
38%が手間・負担を感じないと回答
64%が利用したいと回答
42%が手間・負担を感じないと回答
71%が利用したいと回答
39%が手間・負担を感じないと回答
スマホやSNSの普及によるデジタル化はあらゆる世代で進んでいます。ただし、消費者と企業のコミュニケーションチャネルは決してデジタル一辺倒ではありません。電話・Web・店頭などの王道チャネルは世代を問わず利用されていますが、 LINE・チャット・SNSなどのデジタルチャネルも確実に普及しており、むしろ企業側の新型チャネル実装が消費者ニーズに追い付いていない状況です。
そしてアフター(ウィズ)コロナ期を契機に、消費者と企業のコミュニケーションチャネルのデジタル化と多様化がますます加速しそうです。コロナ禍により、消費者の約7割がスマホに触れる機会が増加し、約6割が動画視聴を増加させています。また、約5割が在宅勤務などで通勤・通学を減少させ、その影響で約3割が日中に自宅で買い物をする「巣ごもり消費」を増加させ、在宅生活を充実させる情報への感度が高まっています。
昨年に続き、消費者がブランドを認知し、比較検討・相談を重ね、購入を決めリピーターやファンになり、クチコミを拡散するまでの過程を「優良顧客育成地図」にまとめ、コミュニケーション体験の影響力を分析しました。その結果、情報の質(明快さ・詳しさ・公平さ)と手間・負担感の低さ(情報収集のしやすさ・速さ)が、購入行動やファン化の重要なファクターであることが分かりました。
特に手間・負担感については興味深い知見が得られました。問題解決に至るプロセス全体の総合満足度を調べると、従来のCS調査などで計測している最終的な問題解決手段となった窓口の顧客満足度は20pt以上目減りすることが判明しました。原因は、時間がかかる、見つからない・分かりにくい、たらい回しにあったなどの不満体験です。逆にそのような手間・負担感を改善できれば、ブランドイメージや購入率・継続率などの顧客ロイヤルティを向上できることがわかりました。
消費者は自己解決意欲と手間・負担感の度合いに応じてチャネルを使い分けています。また手間・負担感の感じ方は世代などの顧客属性によって異なります。若年層は新型チャネルの抵抗感が低い反面、電話など対話が必要なチャネルを回避する傾向があります。逆に高齢層は電話を好む反面、新型チャネルへの忌避感が根強いようです。企業は自社の顧客構成に応じて適切なチャネルを選択・整備し、よりスマートな方法での利用を促していくべきです。
今後は、リアルとデジタルを組み合わせたチャネル統合型のコミュニケーションデザインが求められます。問合せプロセスの最初の段階は自己解決型のデジタルチャネルで前捌きし、複雑な問題は最終手段として電話や店舗における対話を通じて確実に解決するなど、個別チャネルの満足度を部分的に改善するだけでなく、プロセス全体でエフォートレスな顧客体験を提供するという視点が重要になるでしょう。