デジタルの力で乾杯を支える ビアガーデンプロジェクトの 舞台裏

サントリー株式会社
ビアガーデンプロジェクト

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  • 開発エンジニア

  • 開発プロジェクトマネジャー

#03

夏の暑さが最高潮に達する2023年の7月。
札幌の大通公園では毎年恒例「さっぽろ大通ビアガーデンイベント」が開催されました。
約100万人を超える来場者が訪れるこの一大イベントで、
サントリーブースで交わされる乾杯を支えていたのが、私たちです。

BEHIND背景

札幌市をあげた夏の一大イベント

「さっぽろ大通ビアガーデン」での感動体験を目指して

さっぽろ大通のビアガーデンをご存じでしょうか。ビアガーデンとしては日本最大の席数を誇り、連日、国内外からの多くの観光客が訪れ、毎年約100万人程の来場者数となる、札幌市が非常に想いを持って取り組まれている行事です。
2019年以降、一時中止となっていたこのイベントが再開されるにあたり、サントリー様が目指す「感動体験」の実現に向けて、モバイルオーダーへの対応を中心としたデジタル施策の支援として私たちにもお声がけいただきました。
初めてお声がけいただいた2022年は、キャッシュレス対応に関する各方面との調整が間に合わず一度お見送りになったものの、1年を経てついに実現する機会を迎えました。

イベント後のデータ活用を見据えて

飲料業界としては、北海道の短い夏にどうマーケティングしていくかが常に命題となっています。
これに対し、ビアガーデンに来場いただいた方のユーザーIDと行動履歴のデータを保存しておくことで、その後のマーケティング活動に活用したいというご要望もいただきました。

私たちは、感動体験を通じてお客様と繋がり、結果としてサントリー様のファン化や売上拡大へ貢献すべく、このプロジェクトをスタートさせました。

SOLUTION取り組み

知財を活用した効率的なアーキテクチャを構築

先行開発していた「Mini Appli Studio」を活用し、
3か月という短期間でのリリースに成功。

2023年4月に正式にお話しをいただいてからイベントまでは3か月。
全ての要件を実現していくにあたり、ゼロベースの開発では、要件定義から設計・開発・実装まで含めると半年~1年はかかるような内容でした。
幸運にも、私たちにはこれまでLINEをプラットフォームにしたアプリケーションを多く開発しており、そのエッセンスを詰め込みモジュール・パッケージ化した「Mini Appli Studio」を、トランスコスモス独自ソリューションとして準備していました。
「Mini Appli Studio」の基本機能と標準連携システムの中から、最適な組み合わせでカスタマイズ提供することで、いただいた全てのご要望を実現しました。

MIN APPLI STUDIOの機能を
活用したイベントスキーム

過去に前例のない規模。トラフィック量をフェルミ推定し環境を準備。

本イベントの来場者数は、2019年が88万人を超える規模感となっており、今年はさらに多くなる見込みでした。
そんな大規模なイベントにおいて、初のモバイルオーダーシステム導入ともなると、まずは安定して稼働することが先決となります。
そこで、事前にフェルミ推定からおおよそのトラフィック数を読みこんだうえで、余裕をもった値でアクセス許容量を設定しました。
開発フェーズでも、システム自体の負荷が大きくなりすぎないような作り方に気をつけて開発を進めていきました。

想定外の事態にも臨機応変に対応した現地での検証作業。

アプリケーション単体で動作しても、実際の業務に合わせてプロセス全体でテスト(ランスルーテスト)すると、新たな問題が見えてくるのがシステム案件です。
私たちは、イベント1週間前から現地入りし、1,500席のQRコードの読み込みテストを実施。
4日前の段階では、一部のオーダーが飛んでいない事象が発生したものの、パートナーと現地で連携し、事象解消へスピーディーに対応しました。

出力された伝票を座席毎に仕分けて検証。
テストオーダーを飛ばす方とオーダーを仕分ける方の要員配分を誤り、伝票が滝のようになってしまった瞬間も(苦笑)

RESULT結果

イベント全期間の安定運用と27,000人の新規友だち追加獲得

安定運用が生みだしたビジネスインパクト

今回、目的としていた「感動体験を通じてお客様と繋がり、結果としてサントリー様のファン化や売上拡大へ貢献する」という点において、自社開発したサービスの活用によって、全売上の36%がモバイルオーダー経由という顧客の利便性が証明される結果となりました。
また、イベント開催中に27,000人がアンケ-トに回答されており、取得したユーザー情報は今後、サントリー様のファン化や、更なるマーケティング活動にも活用されていくことが期待されています。
これらはイベント開催中の全27日間、安定して運用されていたからこそ、実現できたことです

適切な役割分担かつオーバーラップした支援

もう一つの成功要因としては、運用体制を現地組と待機組に分け、それぞれが専門性を活かせるよう配置したことです。事象判断と切り分けができる人、段取りができる人、実装できる人...それぞれの強みを最大限に活かせる体制を整えたことも、プロジェクト成功の要因の一つとなります。また、今回のプロジェクトでは複数のパートナーが存在しましたが、 プロジェクト全体の統合PM支援としてプロジェクト支援チームを構築。 当社の構築領域以外もワンチームとしてオーバーラップした支援を実施し各領域の課題をクリアしました。

エンドユーザーの笑顔が見られた瞬間

ビアガーデンには二人組で来られる方も多く、これまでは常にどちらかがドリンクやフードを注文しに行き、もう一方は座席で待っていたりと、二人で楽しむことができないという課題がありました。そこをモバイルオーダー導入により解決することができ、また現地での作業により普段エンドユーザーの顔が見えないエンジニアにとっては、直接ユーザーが自分たちの手掛けたサービスの利用により笑顔になっている姿を見ることができ、新たなやりがいを感じる瞬間となりました。

開始当日は、夕方時点でほぼ満席状態に

札幌市内のメディアにも多く取り上げられました

VISION今後の展望

リアル×デジタルの可能性を広げてゆく

様々な挑戦によりお客様の要望に応え、ユーザーに体験価値を提供できた当プロジェクト。このプロジェクトでの経験を、チームメンバーは今後にどう活かすのでしょうか。

田邉さん(PM)

今回のイベント以外でも、収集データ活用の仕組みや、ミニアプリは汎用性があると思うので、他の案件にも展開していけたらと思います。

大福さん(開発)

リアルイベントの開発って、普段の開発とは全然違うので面白くて、もっと増やしていけたらなと思います。あとは、今後の展望でいくとどこまで実現できるかまでは分からないんですけど、今はガチャとか、モバイルオーダーの前段階の導線をうちで作っていますが、他社との連携なしで全部内製化できたらなっていうのは、想いとしてあります。

佐藤さん(責任者)

机に座るだけの業務は飽きてしまうので、定期的に現地へ足を運ぶのはありだと思います。全国各地の美味しいものも食べられるので(笑)対面での業務も久しぶりで、隣に居てすぐ声がかけられる、画面を見せあいながら会話出来る懐かしさを感じました。
チームとしては、自分自身がずっと楽しい事をしていたいタイプなので、メンバーにも同じように楽しいと思えることを一緒に味わっていただきたいです。なので普通じゃない業務にも積極的に挑戦していきたいです。

テクノロジーの力で人々の笑顔を支える。それが我々の仕事の醍醐味です。

案件の期間

  • 2023年4月~2023年8月
  • ※2024年も継続受注

案件の人数

6名

  • プロジェクト責任者:1名
  • プロジェクトマネジャー:2名
  • フロントエンド開発:2名
  • バックエンド開発:1名

プロジェクト体制図

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