毎日の業務に「楽しい!」を。 ユーザー共創型の UXUI改善プロジェクト

コールトラッキングシステム改善プロジェクト

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#05

コールセンター現場の業務改善を⽬指したリニューアルPJ。
オペレーターと協業しながら、UX・UI開発を⽀援。

BEHIND背景

CTS(Call Tracking System)とは

”CTS”とは、お客様からのコール記録の情報を一元管理するものです。
この機能を使用することによって、どういう要件でやり取りをしているのか記録が残るので、たとえオペレーターが変わったとしても顧客対応ができる。というシステムです。
今回のPJの目的は、CTSの利用者が使いやすく、誤作動や、入力の手間が軽減されたUIを目指すことです。
なので我々は、「機能改修」というよりも、使用者が使いやすいように。という観点で「業務改善」を行いました。

きっかけはユーザーの「使い辛い」

改修前のCTSは、10年前から使用されており、これまで改修されていませんでした。
コールセンターのオペレーターの中には、Webサービスに慣れていない方もいらっしゃり、現状のUIだと入力の手間がかかってしまい使い辛い、という懸念がありました。
加えて、「使い辛さ」に拍車をかけていたのが、”機能過多”です。
このCTSは立場の違ういろいろな人が使用する為、どうしても複数の機能が必要でした。
それがそのまま画面上に表れているので、結果として、オペレーターから使いづらいという声が上がっていました。
このような背景から、スキル・年代・属性問わず、どんなオペレーターにも満足に使っていただけるようなシステムに昇華させるべくUI改善を行うことになりました。

この案件の話しを貰った時はどのように感じましたか?

デザイン担当 河村さん

期待と緊張が入り混じった気持ちでした。
オペレーターさんが長年慣れ親しんだUIを作り変えることに重大な責任を感じていました。

構成担当 今西さん

自社案件なので、普段できないチャレンジが可能でした。
多くの方に「使いやすい!」と思っていただけることは前提に、経験として楽しもう!と思いました。

CTS改修までの道のり

CTS改修は以下手順で行いました。
課題を特定していくヒューリスティック調査・インタビュー調査のフェーズに焦点を当て、紹介いたします。

SOLUTION取り組み

現場を見ることでしか分からない、リアルな課題感。

事前にヒューリスティック調査を行い、仮説課題を抽出。

まずは自チーム内で課題の仮説を建てるために、UXピラミッドやUXハニカムに沿ってヒューリスティック分析を行いました。そこより抽出した課題を元に実際に仕事現場を見学し、オペレーターの方々にインタビューを行いました。

インタビュー調査では、現場の「生の声」を拾うことで課題を特定。

ヒューリスティック分析の結果を元に抽出した仮説課題を元にインタビューを実施しました。
現場環境の把握、操作感などを直接確認しながら、課題を深掘りしていき、実際のオペレーターの「⽣の声」を拾うことで、ヒューリスティックから抽出したUI上の仮説課題を検証しました。
インタビューを行う時は質問が誘導的になってはいけないので、事前に準備したチェックリストに沿い、オペレーターの作業軸で質問を進めていくようにしました。

実際に現場でのオペレーター業務を見学していかがでしたか?

デザイン担当 河村さん

オペレーターさんの仕事状況で言うと、肩に電話機を挟みながらメモを取り、キーボードで入力して、マウスでスクロールしたり、入力ボックスに入れたり。凄くせわしなかったです。
オペレーターさんが仕事上、どの様なプロセスで仕事を行っているのか、画面の行き来を注視して見学させていただきました。
ヒューリスティックで出した仮説はただの仮説なので、やはり実際の現場を確認しないことには実態や、リアルな課題感が発見できなかったなと思います。

構成担当 今西さん

機能過多という話がありましたが、実際のオペレーターさんが作業している状況を見ると、機能を2つ、3つしか使っていないということが分かりました。
オペレーターさんにも直接ヒアリングさせていただきましたが、快く質問に答えてくださって今回の改修に期待を寄せていただいていることがわかり、期待に応えられるように頑張ろうと感じました。

すれ違う熱意、UX向上への想い。

現場のオペレーターの方にヒアリングを行った際、「このシステムは”毎日見るもの”なので、ワクワクするようなシステムであってほしい」とご要望を頂いていたので、少しでも働く皆さんの理想を実現できる様にUIデザインを工夫したり、+α遊びのコンテンツを加えたり、楽しく仕事をできる様に提案を行いました。

ただ、100%現場の要望を叶えるには障壁がありました。

このPJで一番難しかったのが、“オペレーターの目線”と“管理者側の目線”の両方を叶えなくてはならなかったことです。
当初、検討フェーズでは、オペレーターの目線で「こんな機能が欲しい」「こんなUIだと嬉しい」というご要望も沢山いただきました。そこに加えて管理者側の目線で、「その機能を追加することによりどんな影響があるのか」「実務としてワークするのか」という俯瞰的な観点でのジャッジが入ります。「この機能があった方が便利だから、というレベルの要望だと実現させることはできない」というような厳しいご意見をいただくということもありました。

そこで我々デザイナーが、これまでの調査結果や業務の実態を踏まえ、「こういう使い方をして、ここに問題があるからこの機能・UIが必要」「実際に使われているオペレーターにとって、こういうシステムだからこの要素が必要」といったUX観点でファシリテーションさせていただくことで、双方の意見を汲み取ったベストな形に収束させることができました。

協議の中で印象に残っていることを教えてください。

デザイン担当 河村さん

コンタクトセンターの管理者の方や実際のオペレーターの方と何度もMTGを行い、「ここは譲れない」という点を少しずつすり合わせていきました。
しっかりと対話をすることで収束点を見つけることができ良かったと感じています。

管理者 村山さん

システム目線だと、どうしても導線や機能面のことをメインで考えてしまいます。
オペレーターさんから改修に当たっての要望を頂いた際に、どのくらいインパクトがあるのか、それが実務としてワークするのか。
という観点でも考えるのですが、デザイナーさんがいらっしゃることで、ユーザービリティの観点や、システムを実務で使用するオペレーターさんが使いたくなるようなデザインやコンテンツなどの観点でもご意見を頂けるのでとても助かりました。

RESULT結果

全員の想いが反映されたデザインに

議論を重ね、『どんな状態が全員にとってベストか』を徹底的に追求しました。その結果、各メンバーの意見や想い、複数の視点の要望が反映されている機能、そして、デザインが実現しました。

実際のシステムUIの一例

改修後、実際にシステムを利用してみて

実際にシステムを利用して業務を行っているオペレーター、そして管理者へ改修後のシステムについて所感をお聞きしました。

オペレーター 土谷さん

まずはデザインがとても可愛いなと感じました!
改修前のデザインは少し硬いイメージがあって緊張感があるような印象があったのですがログインページでは、季節ごとに写真が変わったり、実際のオペレーター業務の中でも、加電が終わると「もう少しでゴールです」「一件一件丁寧に心がけましょう」とメッセージが出てきたりするので、気持ち的にも穏やかに業務にあたることができています!

オペレーター 井原さん

作業がとても効率よくできるようになったと感じています。
お客様へご連絡する際、以前はお客様名が画面の上部に表示され、電話対応の入力画面が<対応履歴登録画面>にあるような1ページの構成だったのですが、改修後は2ページに分割され、左画面に顧客情報、右画面に対応入力画面があるような構成になっており、スクロールなどを最小限で対応できるようになりました。おかげさまでお客様とコミュニケーションがとりやすくなったと感じています。

管理者 村上さん

TOPの画面からデザインが一変していました。
次に使う時に「また使いたい!」となるような要素がたくさん入っていてオペレーターの業務のモチベーションが実際に上がっていることがとても良いと感じています。そして顧客対応の効率化・品質向上にもつながっていることが分かり、今回の改修の効果を実感しています。

VISION今後の展望

最適なUXを届ける為には、まずはユーザーの声を聞くこと。
そして、役割の垣根を超えた協議を行うこと。

今回の改修はファーストステップに過ぎないと思っています。
回収したUIを実際にオペレーターの皆さん、管理者の皆さんに使っていただいて、継続的にUXUIの改善に勤めていきたいと思っています。

今回この形まで整えることができたのは、利用者の「生の声」をデザインに取り入れることができたことだと考えています。
どんなに「このデザインがいい!」というのがあっても、それが利用者の実態やリアルな課題感を捉えてなければ良いデザインとは言えないと思っています。
”ユーザーの生の声”を形にすることに、今後も注力していきたいと考えています。

また、今回のケースの様に私たちから積極的にヒアリングを行って、「こういうUIにしたい」「こういう機能を実装したい」というような”想い”を提示することによって、結果的にお客様に満足いただけるクリエイティブを創り上げることができると考えているので、今後も役割の垣根を越えてチームでお客様と協議していきたいと思っています。

案件の期間

  • 2023年6月~2024年3月(4月1日~利用開始)

案件の人数

約10名程度

  • 常務執行役員:1名
  • 責任者・オブザーバー:3名
  • DCC:3名
  • デザイナー:3名

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