「現状、打つ手無し」 状況を打破する 戦略ガイドラインの制作

大手銀行Webサイト運用チーム

  • Webサイト

  • 戦略立案

  • Webディレクター

  • プロジェクトマネジャー

#06

Webサイト施策は一通りやり切った。
次に何をしようか。
行き詰った状況で生まれた戦略ガイドライン。
お客様と協力し、
現状のWebサイトの課題や仮説、行っている施策、その数値状況、
すべてをユーザー軸をベースに一元化し、PDCA運用を行う体制を構築しました。
その作成過程や今後の展望まで、一挙公開します。

BEHIND背景

戦略ガイドラインとは、
マーケティングにおける現状を可視化したPDCAの基盤

戦略ガイドラインとは、大手金融機関さまのマーケティングにおける現状を可視化したPDCAの基盤です。
当社は大手金融機関さまに長きに渡りご支援をさせていただいており、コンテンツ施策やサイト改修を行ってきました。具体的には、多岐に渡るページの改修、認知拡大、CV拡大、LTV向上を目指したMA施策やコンテンツマーケティング、といった”攻めの施策”。そして、工数削減や法令対応、解約防止のための”守りの施策”。
しかし今回「もうやり切ったのではないか」「新たな打ち手はないのか」という議論に発展し、まずは現状の可視化をしよう、となったことが、戦略ガイドライン作成のきっかけです。

岡田さん(PL)

実はこの話しは、別の部署から引き継いだ案件で、これまでに行ってきた施策や改善結果や運用方針などのインプットから行う必要があったので少し大変でした。結果的にはお客様のご協力もあり、戦略ガイドラインを創り上げることができたので達成感を感じています。

SOLUTION取り組み

ユーザー行動を軸に現状を整理し、新たなコンテンツの創出につなげる

戦略ガイドラインへの期待

戦略ガイドラインで、ユーザー行動を軸に、「ユーザーニーズ」「コンテンツ・施策の役割」「コンテンツ・施策の数値的な状況」を整理を行い、サイトの現状を1つのドキュメントに集約(共通化)し、「目標=課題」も合わせて明確にすることで、新たなコンテンツや施策の創出につなげることができます。
また、随時更新を行うことによって、各コンテンツ・施策における現状把握や更なる改善にもつなげることが可能にります。

更には、コミュニケーションの簡略化、施策立案の品質向上につなげる効果もあります。
コミュニケーション面では、担当者の引継ぎのコミュニケーションを簡略化・社内にて共通認識を持つためのコミュニケーションを簡略化させる効果、施策立案の品質向上の面では、ユーザーの行動に合わせたニーズの把握ができ、集客~CV獲得まで連携した施策立案が可能になります。

戦略ガイドラインの構造

戦略ガイドラインは大まかには以下3つの工程で作成を進めました。
1ユーザー実態調査、2ペルソナ、3カスタマージャーニーマップ。そして、これらを可視化したユーザーインサイトの各ファネルごとに、コンテンツやタッチポイントを整理していきました。

自社の規模を活かした情報収集戦略

社内でファイナンス機能の意識調査を実施

この戦略ガイドラインの一番の根幹はユーザーインサイトを可視したペルソナです。
ペルソナを作成するに当たり、Webサイト上でのオープンソースやお客様内にある調査データを元にしましたが、
どうしても「リボ払い」「分割払い」などファイナンス機能に対する具体的なイメージやクレジットカード自体の利用意向など、示唆を出すに当たりデータが不足している、という状況でした。

実際のTCI社内リサーチデータ資料

そこで、情報の不足分に関しては、社内向けにアンケートを行いました。

TCI社内で不足しているデータを補うことができるのは、とても大きな強みであると考えます。
社内での調査結果とリサーチしたデータを組み合わせ示唆を出し、それをもとにお客様と何度もすり合わせを行うことでユーザーインサイトの解像度を高めていきました。

阪野さん(PM)

“リサーチ”と言うと少しかっこよく聞こえますが、実態は泥臭く「あれでもない」「これでもない」と、いくつもの調査資料を読み込み該当データを探す模索の旅です。そして一番重要なのは、”取得した調査結果や収集したデータから何を汲み取るか”そして、そこから”推察して、お客様と会話をすること”であると今回の案件で改めて気づきました。

桂川さん(新卒)

実は、社内向け調査に関しては新卒の私がメインで担当しました。
なるべく多くの回答数を得たいことから、設問設計を丁寧に行い、どのような回答形式にすれば 回答者はストレスに感じないか。など、創意工夫を行い、調査設計をしました。
結果的に100件以上の回答を得られたので、良かったと感じています。

「一緒に創り上げていきましょう!」会社の枠を超え、結束

オープンソースから集めたデータや社内でアンケートを行った調査結果を踏まえ、仮説を抽出し、示唆としてお客様と度重なるすり合わせを行いました。ペルソナの設計や、カスタマージャーニーマップの作成はお客様とWS形式で進め、すり合わせの会話の中でイメージを創り上げていき、段々と解像度を上げていく形で進めました。お客様からも「一緒に創り上げていきましょう」と仰っていただいたことが大きかったと感じています。
もちろん長きにわたってお付き合いをさせていただいているということもありますが、何より、心理的安全性のある関係値を創り上げることができている、というところが一番重要であると感じています。

社内的にも、戦略ガイドラインを完成させるまでの道のりで、様々なでトライ&エラーを繰り返してきました。「こうしたらもっと良くなる」「こうした方がいいのではないか」と、フラットな意見出しがチームで行える状態だからこそ、そこに創意工夫が生まれ、よりよい成果物をお客様に届けることができると感じています。

VISION今後の展望

戦略ガイドラインをアップデートし続け、「あるべき姿」を追求していく

お客様と協力し、これまでの工程を経て、戦略ガイドラインを作成してきました。
しかし現状は、カスタマージャーニーマップはユーザー行動に則って作られているにも関わらず、コンテンツ整理部分では、ユーザー行動が見えない状態になってしまっていたり、定量的な分析における基準がCVのみになってしまっていたり、そもそも分析方法が整っていなかったりと、問題はまだまだある状況です。

現段階での戦略ガイドライン

今後は、コンテンツ一つひとつの役割を定義し、コンテンツをカスタマージャーニーマップに沿って繋ぐことで、「ユーザー行動が見えるコンテンツ整理」の提案を行います。ユーザー行動を軸に、コンテンツ・施策同士の連携を加味した整理を行うことで、複数のコンテンツ・施策が連動し、ユーザーをCVに導くデジマケ運用が実現すると考えています。

これからもトランスコスモスとして、戦略の立案から実行、分析、このPDCAサイクルを一気通貫でサポートできる体制を強化していきます。

案件の期間

  • 2023年10月~2024年3月

案件の人数

約25名程度

  • プロジェクトマネジャー:1名
  • 各媒体担当者:8名
  • 制作チーム:5名

プロジェクト体制図

MORE PROJECTS

募集要項・選考はこちら

トランスコスモス デジタルインタラクティブ事業本部では、
一緒に働いていただける方を募集しています。