三井住友トラストTAソリューション株式会社
証券 CC
業界のリーディングカンパニーとして、コンタクトセンターのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進。株主さまからのお問い合わせ対応の品質を高めることにより顧客満足度向上を達成しました。
課題
三井住友トラスト・グループの業務範囲は広く、コールセンターも12業務で運営。証券代行コールセンターも知識やサポート面からオペレーターの支援強化策を考える必要がありましたが、三井住友トラストTAソリューション様が導入されたAIはまさにこれらを解消するものでした。
サービス
コンタクトセンターのデジタルトランスフォーメーション支援
- トランスコスモスは、2つのAI(音声認識AI、テキスト要約AI)を組み合わせたサービスの導入/運用を支援
- 主な支援内容
1 )会話をテキストとして認識させるための業界/業務用語の辞書登録
2 )発言されたキーワードから関連資料を見つけ出し、必要な資料や回答内容をオペレーターにポップアップ表示させる為の関連ドキュメントの整備
3 )会話内容記録を要約するための要約テンプレート、ルールの整備
4 )POCの繰り返しによるパフォーマンス評価と実用化に向けたチューニング
成果
- コンタクトセンター従業員の総労働時間を年間で約9,200時間(約1割)削減し、導入後2年あまりで2つのAIに関わる投資を回収
- 複数管理者の同時応対サポートや拠点を問わない効率化を実現
当社のコンタクトセンターにおいて戦略的かつ高度な先進技術を活用することは、株主さま向けサービスの充実や顧客満足度の向上の面で大変重要なミッションでした。トランスコスモスに協力いただいてAIを導入してから2年ほど経過していますが、大きな効果をあげることができ、大変感謝しております。一方で蓄積したデータの活用によるビジネス展開については検討課題であり、新たなシステムベンダー含めて検討していきます。今後もトランスコスモスとの協働によりコンタクトセンターの進化を進めたいと考えており、大いに期待しています。
取締役社長
鈴木 教義 様
※記載の内容・お役職等の情報は、2021年1月取材時のものです。
電話対応中心のコンタクトセンターのDX
株式事務を会社に代わって行う証券代行事業。三井住友トラスト・グループの一員として、証券代行事業に関する「事務・システムの運営・企画・開発・コンタクトセンター運営管理等」を行っています。
個人で株式をお持ちの方の中には年配の方も多く、問い合わせは電話が主体で、その応対は株主さまの満足度向上に直結します。また、昨今、上場会社の個人株主重視の方針を受け、その重要性は増大。三井住友トラストTAソリューション株式会社様(以下、スミトラTA様)は、業界のリーディングカンパニーとして、株主さまからのお問い合わせ対応の品質向上およびコンタクトセンターのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進されています。
音声認識とテキスト要約。2つのAIを組み合わせデジタルトランスフォーメーションを実現
トランスコスモスは、コンタクトセンターの品質向上のため、音声認識(AmiVoice)とテキスト要約(TRAINA)の2つのAIを組み合わせたデジタルトランスフォーメーションの導入を支援しました。
音声認識AIの導入で、電話で問い合わせをされた株主さまとオペレーターの会話は自動でテキスト化され、会話内容に応じてキーワードがポップアップ。オペレーターがポップアップをクリックすると、回答例候補やトークスクリプトが自動表示されます。
これにより、オペレーターのメモ作成やマニュアル検索が不要となり、電話応対の負担が軽減されるだけでなく、経験の浅いオペレーターでも短時間での的確な回答、保留回数の減少や応対時間の短縮を実現しました。さらに、クレーム発生時にはアラート機能を活用し、管理者にすぐに連絡できるというオペレーターの心理的な負担軽減や、テキスト化された会話で、事態を把握した管理者から的確なサポートを受けることができ、株主さまを長い時間お待たせすることなく応対できるようになりました。
また、テキスト要約AIの導入で、テキスト化された会話記録が自動で要約され、後処理時間の削減や、応対記録の均質化、新人オペレーター研修の簡素化・短期化を実現しました。
音声認識とテキスト要約。2つのAIを組み合わせることで、オペレーターだけでなく、管理者が常にオペレーター全員をモニタリングし、速やかな改善指導や、遠隔地を含んだ状況把握が容易になり、業務分担や共同作業の効率化が飛躍的に向上しました。
導入後2年あまりで、2つのAIへの投資を回収
AI導入後2年あまりで、お問い合わせ対応の品質が向上、顧客満足度向上に寄与しました。また、業務の自動化で、コンタクトセンター従業員の総労働時間を年間で約9,200時間(約1割)削減できただけでなく、蓄積した応対記録を利用し、新人研修日数も3営業日/人(約1割)削減することができました。さらに、自動化をすすめることで、同時サポートの実現や拠点を問わない効率化を実現でき、デジタルトランスフォーメーションへの投資は十分回収したとスミトラTA様はお考えです。
今後、スミトラTA様は、この2年間で蓄積されたデータ(株主さまの声)を分析し、さらなる改善や自社サービスの高度化に向けたコンサルティングに活用していきたいとお考えです。トランスコスモスとしても、スミトラTA様に最適なサービスを提供し続けられるよう、単なるオペレーター支援だけでなく、FAQやbotといったオペレーター代替機能・導線の構築整備を様々な先進技術を駆使しながら、提供し続けてまいります。